000_令和8年(2026年)熊本地震 — 産業保健シリーズ 記事一覧

解説記事の最終更新:2026年8月7日 / 定点観測は毎朝7時更新(最新=260807・8月7日7時時点

目次

いま急ぐこと

台風13号が大型で強い勢力を保ったまま接近し、熊本県の一部はすでに強風域に入っている。風が収まった直後の点検・片付け・屋根への再登はんが、この週末の最大の労働災害リスクである。再開の順序と条件は記事034に、接近前の中止判断は記事029にまとめた。

医療機関の断水は34施設まで減ったが、うち19施設が八代市に集中している。従業員の受診と処方の確保、モバイルファーマシー3か所の案内は記事033を参照。

激甚災害の指定政令は8月7日にも閣議決定される方向と報じられている。待つべきものと今日動かせるものの切り分けは記事031、支援制度の一覧は記事020にある。

断水は約3万6,880戸まで減り、宇城市で大きく解消が進んだ。通水後の貯水槽・給湯設備の再稼働は記事027、断水が残る地域の生活時間の設計は記事030を参照。気温は13日ごろまで35度前後が続く見通しで、作業中止基準は記事025による。

立場別の入口

立場まず読む記事次に読む記事
被災地の産業医・保健師記事01初動記事02猛暑記事25酷暑日記事33薬と受診記事04情報空白記事06関連死記事11感染症記事15中長期記事19死亡災害記事22罹災証明記事23断水記事26移行期記事27通水後記事28お盆設計記事30給水時間記事32ガス地区差
被災地の人事総務記事20支援制度記事26移行期記事28お盆設計記事31激甚指定記事01初動記事03車中泊記事10断水記事13再開判断記事14法定業務記事16育児介護記事17外国人記事21ボランティア記事22罹災証明記事23断水記事24通勤記事25酷暑日記事27通水後記事30給水時間記事32ガス地区差記事33薬と受診
経営層・事業者記事13再開判断記事20支援制度記事25酷暑日記事34台風後の再開記事02猛暑記事05復旧作業記事12復電記事18経営者記事19死亡災害記事22罹災証明記事23断水記事24通勤記事27通水後記事28お盆設計記事29屋根作業記事31激甚指定記事32ガス地区差
被災地外の本社・人事記事08本社判断記事09言えなくなる記事24通勤記事28お盆設計記事15中長期記事16育児介護記事20支援制度記事23断水記事26移行期記事31激甚指定記事33薬と受診
支援に入る医療職記事07支援者記事02猛暑記事11感染症記事15中長期記事25酷暑日記事28お盆設計記事29屋根作業記事33薬と受診
小規模事業場・個人事業主記事18経営者記事20支援制度記事22罹災証明記事31激甚指定記事02猛暑記事12復電記事13再開判断記事23断水記事25酷暑日記事27通水後記事32ガス地区差記事34台風後の再開
労働者本人・ご家族記事03車中泊記事09言えなくなる記事22罹災証明記事11感染症記事20支援制度記事21ボランティア記事24通勤記事26移行期記事30給水時間記事33薬と受診

解説記事

番号タイトル主な読者発信目安更新
01発災当日、産業保健職と人事総務が最初の12時間で行うこと産業保健職/人事総務発災当日中8/1追記
022016年にはなかった条件 — 「猛暑下の震度7」が産業保健にもたらす違い全読者発災当日中(最優先)8/2追記
03車中泊と避難所 — 熱中症と静脈血栓塞栓症の「二重リスク」人事総務/労働者本人発災当日~翌朝
04「まだわかっていないこと」の一覧 — 発災24~72時間に取りにいくべき情報産業医・産業保健職翌朝7/30追記
05復旧・復興作業の労働安全衛生 — 5大リスクと2025年6月から変わった法的義務事業者/産業保健職2~3日目
06災害関連死を職域から減らす — 2016年熊本地震の教訓産業医/人事2~4日目
07支援する側を守る — 医療者・自治体職員・復旧要員の惨事ストレス支援職/管理者3~5日目
08被災地の外にいる本社・人事が、明日から判断を迫られること人事総務/経営層翌朝~2日目
09「自分はまだマシだ」が言葉を奪う — 強い映像を伴う災害で不調が申告されなくなる全読者/産業保健職・管理職発災数日以内
10断水下の事業場をどう動かすか — 飲料水確保、トイレ、手指衛生、食堂再開判断事業者/人事総務/産業保健職断水情報が出次第8/2追記
11猛暑・停電下の避難生活で起きる感染症 — 職域が把握し、介入できること産業医・産業保健職/人事総務3~7日目
12停電が復旧する瞬間が危ない — 通電火災と復電時の事故を事業場で防ぐ事業者/設備・安全担当復電前(急ぐ)7/31追記
13その建物に人を入れてよいのか — 応急危険度判定と、事業場再開の意思決定経営層/事業者/産業保健職2~5日目8/4追記
14健診・ストレスチェック・衛生委員会は止めてよいのか — 被災時の法定業務の考え方産業保健職/人事総務1~2週目7/30追記
151か月後、3か月後、1年後 — 災害後のメンタルヘルスを職域でどう見ていくか産業医・産業保健職/管理職1~2週目(設計は急ぐ)
16学校も保育所も止まっているとき — 育児・介護を抱える従業員の就業をどう支えるか人事総務/管理職1週目
17日本語で流れる情報が届かない人たち — 外国人労働者への災害時の情報提供と健康支援人事総務/事業者早いほどよい
18最も休めない人たち — 中小企業の事業再開と、経営者自身の健康経営者/小規模事業場1~2週目7/30追記
19職場で同僚が亡くなったとき — 勤務中の被災による死亡・安否不明への向き合い方事業者/管理職/産業保健職2~3日目(抑制的に)
20もう使える公的支援・特例の一覧人事総務/経営者/産業保健職即時(随時更新)8/7追記
21週末、従業員がボランティアに行く — 送り出す職場・受け入れる事業場の安全衛生労働者本人/人事総務/受援事業場週末前(8/1~2)
22罹災証明書と申請手続き — 従業員が平日の窓口に通うことを、職場はどう支えるか人事総務/労働者本人/産業保健職週末のうち(急ぐ)8/2追記
23断水が「週単位で続く」前提に切り替える — 復旧見込みが示されない段階での事業継続と従業員の生活支援人事総務/事業者/産業保健職5~10日目(急ぐ)8/7追記
24通勤が「当分戻らない」と決まった日 — 鉄道・高速道路の長期寸断下で勤務をどう設計するか人事総務/経営層/被災地外の本社週明け前(急ぐ)
2540度の日に、その作業を止められるか — 酷暑日下の事業再開と作業中止基準を事業場で決める事業者/産業保健職/人事総務酷暑日の当日(最優先)
26避難所から次へ移る日 — 2次避難・応急住宅への移行期に、職場が支えられること人事総務/産業保健職/被災地外の本社6~10日目
27水が出た日から始まるリスク — 断水解消後の貯水槽・給湯設備・冷却塔をどう再稼働させるか産業保健職/設備・安全担当/人事総務断水解消の直前・直後(急ぐ)8/7追記
28お盆までの2週間をどう設計するか — 復旧要員・受援・帰省が重なる時期の人員計画人事総務/経営層/産業保健職お盆2週間前
29屋根の上に人が上がる週 — 応急修理の駆け込みと台風接近が重なる局面で、墜落と熱中症をどう防ぐか事業者/安全担当/人事総務応急修理と台風接近が重なる局面(急ぐ)8/7追記
30水を汲みに行く時間を、勤務のどこに置くか — 断水があと3週間続くと決まった地域の生活時間を職場が支える人事総務/産業保健職/管理職断水長期化の確定直後(急ぐ)
31激甚災害の指定政令が動く週 — 「本激」で何が変わり、職場は何を待たなくてよいのか人事総務/経営層/産業保健職指定政令の閣議決定前(最優先)
32ガスが戻る地区と、あと2週間戻らない地区 — 同じ市内で復旧が割れるときの事業再開と勤務設計人事総務/設備・安全担当/産業保健職都市ガス復旧が地区で割れる局面(急ぐ)
33かかりつけが止まっている間の薬と受診 — 医療機関の断水が続く地域で、職場が代われること産業保健職/人事総務/管理職医療機関の断水が続く局面(急ぐ)新規
34台風が通り過ぎたあとの半日 — 屋外・高所作業をどの順で再開するかを、事前に決めておく事業者/安全担当/人事総務台風の通過前後(最優先)新規

定点観測(毎朝7時更新)

番号時点その朝の要点
2608078月7日7時断水約3万6,880戸。被災医療機関の断水34施設。台風13号の強風域に入る
2608068月6日7時断水約4万3,710戸。激甚災害の指定政令は7日にも閣議決定へ。八代の都市ガスは地区で復旧が割れる
2608058月5日7時断水約4万4,000戸。市町村別の解消見込みを提示。勤務中の被災による死亡17人。台風13号の接近
2608048月4日8時断水約4万5,280戸。激甚災害指定見込みを公表。仮設住宅着工。避難者8,383人。熊本市40.3度で観測史上1位
2608038月3日8時断水約5万9,000戸。県内初の酷暑日40度予想。車中泊で災害関連死の疑い1人目。ホテル等への2次避難受付開始
2608028月2日8時断水約6万9,400戸。新幹線熊本〜新水俣と鹿児島本線宇土〜八代は8月中の再開困難。39度予想
2608018月1日8時停電は全面解消、断水は約7.7〜7.9万戸で継続。熱中症警戒アラート発表
2607317月31日8時停電は本日夕方復旧見込み、断水は約7.5万戸で見込み未公表。被災医療機関64施設
2607307月30日8時熱中症警戒アラート。停電約2.3万戸に縮小、都市ガス復旧8月3日予定。医療機関46機関被災。雇用保険基本手当の特例案内開始

続報として想定される論点(未執筆)

  • 事業場の移転・統廃合に伴う雇用の変化
  • 復興工事の本格化に伴う建設業の労働災害
  • 発災2週間目に増える「申告されない不調」への向き合い方
  • 災害関連死の疑い事例が出たあと、職域での「見守り」を誰がどう分担するか
  • 応急仮設住宅・賃貸型応急住宅への入居が始まったあとの通勤経路の再設計
  • 学校の2学期再開と、育児を抱える従業員の勤務の立て直し
  • 避難所の空調不足が解消されないまま長期化する場合に、職場から支援できること
  • 肥薩おれんじ鉄道の代替バス運行開始(8月10日目途)に合わせた通勤経路の再設計
  • 入浴支援・宿泊支援など「避難所の外の生活支援」が台風等で止まるときの代替
  • 断水が解消した地域と残る地域の間で生じる、同一企業内の勤務条件の差をどう説明するか
  • お盆期間の医療機関・薬局の休診と、被災地での処方の確保
  • 発災から1か月・1年の節目に向けた振り返り

更新履歴(解説記事)

2026年8月7日記事033記事034公開。記事020に住宅の応急修理制度の対象16市町村・費用上限額と、賃貸型応急住宅の受付11市町・家賃上限額を追記。記事023に断水約3万6,880戸への減少を追記。記事027に宇城市で約5,660戸の断水が解消したことを追記。記事029に台風13号の強風域到達と八代市39度観測を追記。激甚災害の指定政令は7日にも閣議決定の見通し(7時時点で未確認)。2026年8月6日記事031記事032公開。記事020に予備費242億円閣議決定と激甚災害指定政令8月7日見込みを追記。記事023に断水約4万3,710戸、8月末解消見通し維持を追記。記事029に台風13号進路変化と風強化予想を追記。8月5日分記事反映漏れ是正。2026年8月5日記事029記事030公開。断水の市町村別解消見込み公表と死亡17人(厚労省)、台風13号接近を反映。2026年8月4日記事027記事028公開。激甚災害指定見込み公表、200億円超の予備費方針、八代・氷川地域被災企業調査開始を記事020に追記。応急危険度判定3班体制拡充を記事013に追記。2026年8月3日記事025記事026公開。県内初の酷暑日40度予想、車中泊での災害関連死の疑い第1例、ホテル・旅館への2次避難受付開始、仮設住宅着工、県営住宅29戸無償提供を反映。2026年8月2日記事023記事024公開。記事02に8月2〜3日の39〜40度予想と熱中症警戒アラートを追記。記事010に断水約6万9,400戸への減少を追記。記事020に罹災証明専用窓口と住宅応急修理制度案内を追記。記事022に窓口設置予定を追記。2026年8月1日記事022公開。記事01に停電全面解消と断水継続を追記。記事020に普通交付税616億円決定と政府現地対策本部設置を追記。2026年7月31日記事021公開。記事12記事010に停電復旧見込み公表と通電火災リスク、断水長期化前提を追記。2026年7月30日記事04記事010記事012記事013記事014記事018に追記(断水約8.4万戸、停電復旧進行、余震見通し、労災請求簡略化特例、中小企業支援を反映)。記事020を7月30日版に更新。2026年7月28日〜30日記事01記事20を順次公開。

共通の注意

  • 数値・被害状況はすべて執筆時点の発表・報道による。閲覧時には最新の公的発表を確認すること
  • 死傷者数は発表主体と時点を付して記載し、断定しない
  • 法的判断は所轄労働基準監督署・社会保険労務士への確認を促す形にとどめる
  • 特定の企業・施設について、事故原因の推測や管理体制の評価を行わない

追記

本日8月7日で発災から11日目。断水は約3万6,880戸(熊本県災害対策本部・8月6日14時時点)。内訳は八代市約2万3,710戸、宇城市約9,920戸、氷川町約3,100戸、甲佐町約150戸で、前時点から約6,830戸減った。減少の大半は宇城市(約5,660戸減)で、八代市は約1,110戸減、氷川町は横ばいである。関係機関の支援により8月末を目途に応急復旧で解消の見込みとされている。通水が進む地域の貯水槽・給湯設備の再稼働は記事027、断水が残る地域の生活時間の設計は記事030で扱った。停電はおおむね解消している。八代市南部の都市ガス約5,900戸は、なお1〜2週間程度を要する見通しとされる(記事032)。

人的被害は死亡38人(うち災害関連死の可能性がある死亡1人)、重症21人、中等症58人、軽症41人、分類未確定26人、心肺停止0人(熊本県・8月6日14時時点)。住家被害は計1万5,697棟、避難所は125か所・避難者は6,721人。厚生労働省は8月6日12時時点で、勤務中の被災による死亡を17人、負傷を8人と集計している。

被災医療機関は92施設で、うち34施設で断水が続く(厚生労働省第40報・8月6日16時時点)。八代市26施設(うち断水19施設)、宇城市14施設に集中している。薬局は被害136施設のうち19施設が営業不可。モバイルファーマシーは宇城市・八代市・氷川町の3か所で稼働している。従業員の受診と処方の確保は記事033にまとめた。

台風13号は大型で強い勢力を保ち、熊本県の一部が強風域に入っている。8月6日には八代市で39度を観測し、被災住宅ではブルーシート張りが進む一方、客船「はくおうII」の入浴・休憩利用は台風接近に伴い6日以降一時中断している。通過後の屋外・高所作業の再開順序は記事034、接近前の中止判断は記事029を参照。熊本地方気象台は、地盤が緩んでいるため普段より少ない雨でも土砂災害や洪水害が起こりうること、今後1週間程度は最大震度5強程度以上の地震に注意が必要であることを示している。8月6日には天草・芦北地方でM5.1・最大震度4、熊本地方でM4.5・最大震度4の地震が発生した。

激甚災害の指定政令は8月7日にも閣議決定される方向と報じられているが、本日7時時点で閣議決定は確認できていない(記事031記事020)。住宅の応急修理制度は8月6日時点で16市町村が対象で、費用上限は全壊〜半壊757,000円・準半壊367,000円。賃貸型応急住宅は11市町で受付中である。

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