260807_【定点観測】令和8年熊本地震 8月7日7時時点 — 産業保健のための状況整理

本記事は8月7日7時時点の公表情報・報道に基づく。数値は発表主体により異なり、今後変わりうる。

目次

ライフラインと交通

項目状況(時点・発表主体)
断水約3万6,880戸。八代市約2万3,710戸、宇城市約9,920戸、氷川町約3,100戸、甲佐町約150戸(熊本県災害対策本部・8月6日14時)
断水の見込み関係機関の支援により8月末を目途に応急復旧で解消の見込み(同)
停電おおむね解消(同)
都市ガス八代市南部の約5,900戸は導管の交換・補修に1〜2週間程度を要する見通し(8月5日時点の公表)
給水県が給水支援本部を設置し医療機関・福祉施設等へ給水。陸海空自衛隊と海上保安庁が支援(8月6日14時)
九州新幹線熊本〜新水俣は当面運行取りやめ。8月中の再開は困難な見込み(同)
鹿児島本線宇土〜八代は当面運行取りやめ。8月中の再開は困難な見込み(同)
肥薩おれんじ鉄道8月10日を目途に代替バスの運行を開始予定(同)
高速道路九州道 松橋IC〜えびのICが全面通行止め。8月後半に通行可能となる見込み(同)
空港熊本空港は通常運用に支障なし。P2駐車場は補強工事のため閉鎖、8月7日17時頃完了予定(同)

断水は前日の約4万3,710戸から約6,830戸減った。減少の大半は宇城市(約5,660戸減)で、八代市は約1,110戸減、氷川町は横ばいである。

被害の状況

熊本県災害対策本部(8月6日14時)によると、死亡38人(うち災害関連死の可能性がある死亡1人)、重症21人、中等症58人、軽症41人、分類未確定26人、心肺停止0人。住家被害は計1万5,697棟。避難所は125か所、避難者は6,721人。厚生労働省は8月6日12時時点で、勤務中の被災による死亡17人、負傷8人と集計している。

住まいの移行では、建設型応急住宅が宇城市3団地50戸・氷川町1団地20戸で整備中、熊本市で50戸が建設予定。賃貸型応急住宅は11市町で受付中で、家賃上限は単身5.5万円から5人以上13万円。ホテル等への2次避難は申込760件(マッチング済61件、調整中225件)。客船「はくおうII」の入浴・休憩利用は8月5日に始まったが、台風13号の接近に伴い6日以降は一時中断している。

地震活動は、8月6日7時59分に天草・芦北地方でM5.1・最大震度4、同日19時49分に熊本地方でM4.5・最大震度4。熊本地方気象台は、発生数は増減を繰り返しながら大局的には緩やかに減少しているとしつつ、今後1週間程度は最大震度5強程度以上の地震に注意を求め、地盤が緩んでいるため普段より少ない雨でも土砂災害や洪水害が起こりうると指摘している。

気象は13日ごろにかけて最高気温35度前後・最低気温30度前後が続く見通し。8月6日は八代市で39度を観測し、同日は熊本県に熱中症警戒アラートが発表された(7日分は7時時点で確認できていない)。台風13号は大型で強い勢力を保ち、熊本県の一部が強風域に入っている。

医療機関の健全性とモバイルファーマシー

項目状況(厚生労働省 第40報・8月6日16時時点ほか)
被災医療機関熊本県92施設。断水は最大88→現在34施設、停電は最大22→0、浸水は最大39→0、医療用ガスは最大13→1
地域の集中八代市26施設(うち断水19)、宇城市14施設
透析県内94か所中、最大13か所が実施困難。給水支援で4か所、ライフライン復旧で6か所が再開。3か所は機材損傷のため他医療機関での実施を手配済み
DMAT現場活動65隊、本部を含む調整チーム83隊。32都道府県に調整本部
DPAT本部活動9隊、現地活動16隊(移動中を含む)。28都道府県に調整本部
薬局被害136施設、営業不可19施設(8月5日14時)。八代市44施設(営業不可5)、宇城市23施設(同7)。断水は56施設
モバイルファーマシー3台が稼働。熊本県薬(宇城市小川防災拠点センター・8月1日〜)、福岡県薬(八代市総合体育館・8月2日〜)、宮崎県薬(氷川町健康センター・8月2日〜)
福祉施設断水は高齢者施設315施設、障害者施設173施設

医療機関の断水は前日の42施設から34施設へ減ったが、八代市では19施設が続く。薬局は被害施設数が増える一方で営業不可は24施設から19施設へ減り、再開が進んでいる。モバイルファーマシーは災害処方箋への対応に加え、巡回同行、服薬状況の確認、経口補水液の配布を行っている。

前日からの主な変化

  • 断水が約4万3,710戸から約3万6,880戸へ。宇城市で約5,660戸減った一方、氷川町は横ばい
  • 避難者が7,155人から6,721人へ、避難所が133か所から125か所へ減少
  • 被災医療機関の断水が42施設から34施設へ、薬局の営業不可が24施設から19施設へ減少
  • 肥薩おれんじ鉄道が8月10日を目途に代替バスの運行を開始する予定と示された
  • 台風13号の接近により、客船「はくおうII」の入浴・休憩利用が6日以降一時中断

新たに使える支援・特例

本日7時時点で新たな発表は確認していない。激甚災害の指定政令は7日にも閣議決定される方向と報じられているが、7時時点で閣議決定は確認できていない(記事031)。決定された場合は記事020の更新を推奨する。なお8月4日に国税庁が示した申告・納付期限の延長は、八代市・宇土市・宇城市・氷川町に納税地のある人について7月28日以降に到来する期限が全税目で自動的に延長される扱いで、手続は不要。対象地域外の被災者は所轄税務署への申請で延長を受けられ、申請は期限経過後でもよい。

産業保健職への示唆

医療機関の断水は減ってはいるが八代市に集中しており、従業員の受診と処方の確保は今週も本人任せでは回らない。かかりつけの再開状況とモバイルファーマシーの設置場所を職場から具体的に案内したい(記事033)。台風13号で熊本の一部が強風域に入っており、屋根の応急処置が進む一方、通過後の点検と片付けが新たな高所作業を生む。再開の順序と条件を今日のうちに決めておくこと(記事034記事029)。気温は13日ごろまで35度前後、熱帯夜も続く。断水が残る地域では入浴と冷房の確保が睡眠を左右するため、勤務時間の前倒しと屋外作業の時間帯変更を続ける必要がある(記事025記事030)。

参考

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