本記事は8月23日7時時点の公表情報・報道に基づく。数値は発表主体により異なり、今後変わりうる。発災から27日目。
ライフラインと交通
| 項目 | 状況(発表主体・時点) |
|---|---|
| 断水 | 県内3市町 約4,300戸。宇城市2,579戸、八代市1,021戸、氷川町684戸(国土交通省第47報・8月21日10時現在)。最大は4県15自治体 約10万8,100戸。8月末の解消を目標に応急復旧中 |
| 給水 | 給水車129台(国土交通省18台、日本水道協会103台、自衛隊8台。同第47報) |
| 停電 | 8月1日に全面解消 |
| 都市ガス | 八代市8,827戸で供給再開(倒壊家屋等65戸を除く)。熊本市は7月31日に完了 |
| 下水道 | 熊本県内の処理場30施設中24施設、ポンプ場101施設中100施設が異常なし(同第47報) |
| 九州新幹線 | 熊本〜新水俣で運転見合わせ。全線再開の見通しは「8月中に示す」とJR九州社長が述べたと報じられている |
| 鹿児島本線 | 宇土〜八代で運転見合わせ。8月26日からバス代行輸送を実施予定(同第47報) |
| 肥薩おれんじ鉄道 | 八代〜水俣でバス代替輸送 |
| 高速道路・国道 | 九州自動車道は全線通行可。南九州自動車道 八代JCT〜八代南ICが橋梁損傷で通行止め。国道219号新萩原橋は8月下旬復旧予定(同第47報) |
断水の数値は国土交通省第47報(8月21日10時現在)が本日7時時点で確認できる最新である。週末をはさみ第48報以降は確認できていないため、実際の戸数はこれより減っている可能性がある。
被害の状況
人的被害は熊本県第39報(8月22日14時時点)で死者38人。内訳は災害に起因する死者36人、災害関連死の可能性がある死者1人、関連を調査中1人と発表されている。負傷は重症31人、中等症96人、軽症66人、分類未確定167人で、死傷者の合計は398人。
住家被害は37,041棟。全壊1,622棟、大規模半壊171棟、半壊1,977棟、一部破損18,053棟、分類未確定15,218棟である。分類未確定が全体の4割を占めており、罹災証明の判定が進むにつれて内訳は動く。
避難所は11市町の66か所、避難者2,838人(同第39報)。応急仮設住宅は276戸・15団地が着工済みで、熊本市50戸、八代市69戸、宇城市50戸、氷川町75戸、美里町12戸、甲佐町20戸の内訳である(国土交通省第47報)。
余震について熊本地方気象台は、地震の発生数は増減を繰り返しながら大局的には緩やかに減少しているものの活動は依然として活発であり、8月18日から1〜2か月程度は最大震度5弱程度以上の地震に注意するよう求めている。
医療機関の健全性とモバイルファーマシー
| 項目 | 状況(厚生労働省第56報・8月21日10時現在) |
|---|---|
| 被災医療機関 | 熊本県92施設。うち断水17施設。浸水・停電・医療用ガスはいずれも解消済み、その他7施設 |
| 透析 | 県内94か所のうち1か所が継続困難(8月11日時点) |
| DMAT | 14隊が県内で活動 |
| DPAT | 11隊が活動中 |
| その他チーム | JMAT 32チーム123人、JRAT 15チーム65人、JDAT 4チーム、災害支援ナース延べ313名 |
| 薬局 | 熊本県142施設が被災、営業不可5施設 |
| モバイルファーマシー | 8月12日までに活動終了 |
DMATは14隊で前報から横ばい、DPATは10隊から11隊へわずかに増えている。支援チームの総量は縮小局面にあるが、単調に減り続けているわけではない。断水が続く医療機関17施設の所在は、従業員のかかりつけ医が動いているかどうかに直結するため、事業場ごとに確認しておきたい。薬局の断水施設数は本日確認した第56報の抜粋では特定できておらず、記事068に整理した状況が継続しているものとして扱う。
前日からの主な変化
前回の定点観測(8月22日7時時点)と突き合わせた主な変化は次のとおり。
- 復旧作業に伴う休業4日以上の労働災害が93人となった(厚生労働省第56報、8月20日19時時点)。前回用いた81人(8月19日19時時点)から12人増えている。死亡は17人で変わらない
- 避難所は69か所・2,925人から66か所・2,838人へ減少(熊本県第39報、8月22日14時時点)
- 住家被害は35,048棟から37,041棟へ、全壊は1,555棟から1,622棟へ増加。判定が進んだことによる増加である
- 熱中症警戒アラートが8月23日を対象に熊本県を含む29地域へ発表され、5日連続となった。熱中症特別警戒アラートの発表はない
- 断水は国土交通省第47報から更新されておらず、約4,300戸のままである
新たに使える支援・特例
本日7時時点で、新たな特例措置の発表は確認していない。国税の納期限延長の対象は八代市・宇土市・宇城市・氷川町にとどまっており、この点も変わっていない。
今週動く既発表の日程として、熊本市の被災家屋等の解体・撤去がある。事前予約が8月25日(火)に始まり、申請書類の受付は9月10日から12月10日まで。対象は全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊の判定を受けた個人または中小企業者で、事前予約は必須である。自ら解体した費用の償還払いも対象となるが、解体前後の写真、契約書・見積書・領収証、廃棄物処理の帳票を保管しておく必要がある。
産業保健職への示唆
休業4日以上の労働災害が1日で12人増えたことは、応急対応から復旧・復興工事へ局面が移り、屋外作業の母数そのものが増えていることを示している。熊本地方気象台は28日金曜にかけて猛暑日と熱帯夜が続くとし、来週は熊本で最高気温40度の予想も報じられている。断水が残る3市町では、水分・塩分の補給と身体を冷やす手段の確保が、水の供給量そのものに制約される点に注意したい。
避難所が66か所まで減り避難指示も全て解除されたことで、従業員の居場所は在宅避難・親族宅・みなし仮設へ分散している。名簿上の住所と実際の生活拠点が一致しない状態が9月まで続く前提で、連絡手段を二重にしておきたい。