本記事は8月27日7時時点の公表情報・報道に基づく。数値は発表主体により異なり、今後変わりうる。本日は発災から31日目にあたる。
ライフラインと交通
| 項目 | 8月27日7時時点の状況 | 発表主体・時点 |
|---|---|---|
| 断水 | 八代市は8月26日に全域で解消。残るのは宇城市と氷川町の一部で、報道では約270戸。県・国の集計では3市町約2,400戸(最大時 約108,100戸) | 八代市発表・報道(8/26)/国土交通省 第49報(8/25 10時) |
| 宇城市の内訳 | 継続は小川町の北部田・南部田・河江の各一部のみ。他地区は断水解消のうえ給水制限に移行 | 宇城市(8/26更新) |
| 給水拠点 | 宇城市は小川防災拠点センターの1か所に集約。給水車は8時30分〜17時、仮設タンクは24時間(1人1日4リットル以内)。他の給水所は終了 | 宇城市(8/26更新) |
| 復旧目標 | 県は8月末を目途に応急復旧を完了する方針 | 熊本県(8/25)/国土交通省 第49報 |
| 停電・都市ガス | 停電は8月1日に全面解消。八代市の都市ガスは8月15日に復旧率100% | 過去の各社発表 |
| 下水道 | 処理場30施設中24施設、管路は25市町村中18市町村で異常なし | 国土交通省 第49報(8/25 10時) |
| 九州新幹線 | 熊本〜新水俣で運転見合わせ。8月中の運転再開は困難で、再開見込みは「8月中に改めて知らせる」とされているが、本日7時時点で発表は確認していない | JR九州(8月発表) |
| 鹿児島本線 | 宇土〜八代で運転見合わせ。8月26日からバス代行輸送を開始 | JR九州・国土交通省 第49報 |
| 肥薩おれんじ鉄道 | 八代〜水俣で運転見合わせ、バス代行輸送を継続 | 国土交通省 第49報 |
| 高速道路・国道 | 南九州道の八代JCT〜八代南ICは橋梁損傷で通行止め。八代南IC〜田浦ICは8月18日から一般車両通行可。国道219号の新萩原橋は本日8月27日6時に通行予定 | 国土交通省 第49報(8/25 10時) |
被害の状況
熊本県は8月26日14時時点で、死者38名(うち災害を直接の原因とする死者36名、災害関連死の可能性がある死者2名)と発表している。重症33名、中等症96名、軽症68名、分類が確定していない負傷者167名。関連死は市町村の審査会を経て正式に決定されるため、本日時点の数字は確定値ではない。報道では8月上旬に死者39人と伝えられた経緯があり、県の計上とは差がある。
住家被害は計39,717棟(全壊1,713棟、大規模半壊223棟、半壊2,626棟、一部破損24,179棟、分類未確定10,976棟。推計値を含む)。避難所は64か所(11市町)、避難者は2,568名(10市町)で、ほかに福祉避難所が5市町9施設58名(8月25日時点)。ホテル等への2次避難は申込1,394件に対しマッチング済472件1,026人(8月25日時点)。応急仮設住宅は国土交通省の集計で368戸18団地の着工が完了した。罹災証明は申請60,362件に対し調査41,251件(68.3%)、交付22,641件(37.5%)にとどまる(8月25日時点)。
余震について気象庁は、地震活動は大局的に緩やかに減少しているとしつつ、強い揺れに見舞われた地域では今後1か月程度、最大震度5弱程度以上の地震に注意が必要(1か月に1〜2回程度)としている(8月25日発表 第10報)。
本日の熊本の予想最高気温は36度で、熊本県を含む西日本・沖縄の18県に熱中症警戒アラートが発表され、9日連続となった。昼過ぎからは落雷・突風・急な強い雨のおそれがあり、暑熱と雷雨の中止基準を別立てで運用する必要がある。
医療機関の健全性とモバイルファーマシー
| 項目 | 状況(厚生労働省 第58報、8月25日10時現在) |
|---|---|
| 被災医療機関 | 熊本県計92施設。断水は最大88施設に対し現在15施設、停電は最大22施設に対し現在0、浸水は最大20施設に対し現在0、医療用ガスは最大13施設に対し現在0、その他が最大8施設に対し現在6(8月25日9時時点) |
| 透析 | 県内94か所のうち最大13か所で実施困難となったが、8月24日時点で全施設が復旧可能 |
| DMAT・DPAT | DMAT 15隊、DPAT 8隊が県内で活動中 |
| JMAT・JDAT・看護 | JMAT 29チーム104人、JDAT 4チーム、災害支援ナースは延べ398名を派遣 |
| 薬局 | 被災143施設、営業不可4施設。断水は最大59施設に対し現在も59施設、停電は最大22施設に対し現在20施設(8月24日14時時点) |
| モバイルファーマシー | 宮崎県薬剤師会が8月9日まで、熊本県・福岡県薬剤師会が8月12日まで実施し、いずれも終了済み |
支援チーム全体では、熊本県が8月25日時点で保健医療活動の派遣者を1,018人(うち対口支援808人)と報告している。DPATは前々日まで本部機能のみに縮小していたが、8隊が現地活動に戻っている。薬局の断水59施設は7月末以来ほぼ動いておらず、水道の復旧が進んでも調剤機能の回復がそれに追随していない点は変わらない。
前日からの主な変化
- 八代市の上水道が8月26日に全域で解消した。断水が残るのは宇城市と氷川町の一部のみとなり、報道では約270戸。前日の定点観測(260826)時点の3市町約2,400戸から大きく減った。
- 宇城市は小川町の3地区の一部を除いて断水を解消し、給水制限に移行した。給水所は小川防災拠点センターの1か所に集約され、他は終了した。
- 国道219号の新萩原橋が本日8月27日6時に通行予定となった。
- 復旧作業に伴う労働災害は死亡17名・休業4日以上106名で、前日から変わっていない(厚生労働省 第58報、8月24日19時時点)。
- 熱中症警戒アラートは9日連続。熊本の予想最高気温は前日の38度予想から36度に下がったが、午後の雷雨・突風のリスクが加わった。
新たに使える支援・特例
本日7時時点で、新たな特例措置の発表は確認していない。雇用調整助成金の特例(8月20日公表)、激甚災害指定および特定非常災害の指定(8月8日閣議決定)に伴う措置が引き続き利用できる。
産業保健職への示唆
断水が「地域全体の問題」から「一部の地区と個々の世帯の問題」に変わった。従業員のうち誰の自宅がまだ水を使えないかは、市町村単位では把握できない段階に入っている。宇城市小川町の3地区のように、同じ市内でも通水した地区と残る地区が混在するため、地区名まで下ろした確認が要る。
給水所が1か所に集約されたことで、水を汲みに行く移動時間はむしろ延びる従業員が出る。断水戸数が減ったことを「支援を畳んでよい」と読み替えないでほしい。
一方で気象条件は厳しい。予想最高気温36度に加え、午後は雷雨と突風のおそれがある。屋外・高所作業は、暑さ指数だけでなく雷の接近を独立した中止条件として扱う必要がある。