本記事は8月12日7時時点の公表情報・報道に基づく。数値は発表主体により異なり、今後変わりうる。
ライフラインと交通
| 項目 | 状況(発表主体・時点) |
|---|---|
| 断水 | 約3万3,300戸。八代市約2万2,980戸、宇城市約8,190戸、氷川町約2,130戸(熊本県、8月11日14時)。前日同時点比 約740戸減 |
| 復旧見込み | 3市町とも試験通水中。応急復旧は8月末を目途(熊本県/国土交通省第36報) |
| 応急給水 | 給水車計171台。医療機関・社会福祉施設等へ優先給水中(国土交通省第36報) |
| 停電 | 最大約4万9,000戸。継続中のものは確認していない |
| 都市ガス | 八代市で供給停止約8,892戸、うち再開1,650戸(九州ガス第11報、8月3日18時30分)。以後の報は本日7時時点で確認できていない |
| 鉄道 | 九州新幹線 熊本〜新水俣、鹿児島本線 宇土〜八代とも運転取り止め。8月中の再開は困難な見込み。肥薩おれんじ鉄道 八代〜水俣は8月10日から代行バス(熊本県、8月11日14時) |
| 高速道路 | 九州道 松橋IC〜えびのIC、南九州道 八代JCT〜田浦ICが全面通行止め。九州道は8月11日9時から緊急車両通行可。一般車両の開放は8月後半の見込み |
| 一般道 | 国道219号(八代市・新萩原橋)は8月下旬に開放見込み。県道八代不知火線は8月中頃を目途。松島有料道路は8月11日7時に解除 |
| バス | 八代方面は市街地循環バスを除き全便運休。三角〜松橋駅線は本日から運行再開 |
被害の状況
熊本県の発表(8月11日14時時点)では死亡39人。うち災害を直接の原因とする死亡が36人、災害による負傷の悪化または身体的負担による疾病で死亡した可能性のある方が1人、災害との関連を調査中の方が2人とされている。負傷は353人(重症26人、中等症95人、軽症56人、分類未確定176人)。住家被害は計2万3,404棟(全壊1,133棟、半壊1,025棟ほか)。
避難所は11市町89か所、避難者3,714人(同時点)。同じ時点の前日は97か所・6,108人だった。建設型応急住宅は9団地159戸が着工し、熊本市3団地50戸が8月10日、八代市2団地35戸が8月11日に着工。賃貸型応急住宅は15市町村で受付中。熱中症による救急搬送は7月28日から8月10日までの累計303件。
復旧作業に伴う労働災害は死亡17人・負傷13人(厚生労働省第45報、8月10日12時時点)。技能実習生は3,809人の安否が確認され、死亡1人・負傷4人と報告されている。
気象庁は8月11日、地震回数は徐々に減っているものの活発な活動が続いており、今後1か月ほどは最大震度5弱程度以上の地震に注意するよう呼びかけている。台風15号は11日夜に本州へ上陸し12日は西進する見通しで、九州は晴れ間が出るものの猛暑日は少ない見込みとされる。熊本県への熱中症警戒アラートは、本日7時時点で発表を確認できていない。
医療機関の健全性とモバイルファーマシー
| 項目 | 状況(発表主体・時点) |
|---|---|
| 被災医療機関 | 熊本県92施設。断水は最大88→現在28、停電は最大22→0、浸水は最大33→0、医療用ガスは最大13→0(厚生労働省第45報、8月10日12時)。八代市26・宇城市14に集中 |
| 透析施設 | 県内94か所のうち最大13か所で実施困難、うち11か所が復旧、2か所は他機関で対応(8月6日時点) |
| 支援チーム | DMAT 現場70隊・本部84隊、DPAT 16隊、JMAT 31チーム139人、JRAT 11チーム50人、DHEAT 9チーム、災害支援ナース 計57人、保健師等35チーム(同第45報) |
| 薬局 | 熊本県140施設が被災、営業不可5・営業可能135。断水57、停電19(同第45報、8月9日14時)。熊本県は8月11日14時時点で薬局141施設・医療機関263施設としており集計基準が異なる |
| モバイルファーマシー | 熊本県薬剤師会が宇城市、福岡県薬剤師会が八代市で活動。宮崎県薬剤師会は8月9日で終了。両会とも8月12日午前で活動終了予定(熊本県、8月11日14時) |
| 終了後の代替 | 八代市総合体育館(避難所)で熊本県薬剤師会が「おくすり相談」を8月17日まで継続予定。災害薬事コーディネーター4人が県庁・八代/宇城保健所・県薬剤師会に配置 |
医療機関の断水は28施設で前日から動いていない。八代・宇城に偏っており、この2市の事業場では従業員のかかりつけが止まったままの可能性が残る。DPATは前日の18隊から16隊へ、DMATの現場活動は70隊へと、支援側の規模は縮小方向にある。
前日からの主な変化
- 避難者が6,108人(8月10日14時時点)から3,714人(8月11日14時時点)へ、避難所が97か所から89か所へ減少。統合と応急住宅への移行が同時に進んでいる。
- モバイルファーマシー2台が本日午前で活動を終了し、以後は八代市総合体育館の「おくすり相談」(8月17日まで)に一本化される見通し。
- 復旧作業に伴う労働災害の負傷が11人(8月7日12時時点)から13人(8月10日12時時点)へ増加。死亡は17人で変わらない。
- 建設型応急住宅が9団地159戸に拡大し、賃貸型応急住宅の受付が13市町村から15市町村になった。
- 九州道 松橋IC〜えびのICで8月11日9時から緊急車両が通行可能になった。
新たに使える支援・特例
熊本県は8月11日、熊本労働局と連携して被災企業の支援や雇用調整助成金等の具体策の検討に着手したと報告している。内容・要件はまだ示されておらず、現時点で事業場が確定的な前提を置くことはできない。国土交通省第36報では、自動車検査証と自賠責保険の有効期間延長(8月31日まで)、登録申請書類の有効期間延長(令和9年1月27日まで)が継続していると整理されている。住家被害認定調査は8市町に調査班が入り、宇土市・宇城市・八代市に各2人の行政書士が派遣されている。記事020の更新を推奨する。
産業保健職への示唆
本日午前でモバイルファーマシーが止まる。八代・宇城の従業員で処方に不安がある人には、今日の午前が「移動する薬局」に相談できる最後の機会になる。連休前の今日、その一報を社内に流せるかどうかで8月13日以降の薬切れの数が変わる。
避難者が1日で約2,400人減った。減った人がどこへ移ったかは職場からは見えない。避難所を連絡先にしていた従業員は、今週中に連絡先も生活時間も変わる。名簿の更新を今日中に一度かけたい。
労働災害の負傷が増えている。応急修理と仮設住宅建設が同時に立ち上がる局面で、連休中も現場は動く。作業中止基準を持たない小規模事業場ほど危うい。熱中症警戒アラートが発表されない日である可能性が高く、外的な指標が消えた日の判断はあらかじめ自社で決めておく必要がある(記事025)。
参考
- 熊本県 災害対策本部会議資料(8月11日 各部報告資料)
- 熊本県 人的被害等状況(8月11日)
- 熊本県 災害対策本部会議資料 一覧
- 国土交通省 令和8年熊本地震における被害と対応について(第36報)
- 国土交通省 令和8年熊本地震における被害と対応について(特設ページ)
- 厚生労働省 令和8年熊本地震について(第45報)
- 厚生労働省 令和8年熊本地震について(特設ページ)
- 熊本労働局 令和8年熊本地震で被災された方へ(労働行政関係)
- 熊本市 災害対策本部会議資料
- NHK 熊本地震 39人死亡 3714人避難(11日午後2時時点)
- NHK 熊本 今後1か月程度は震度5弱程度以上の地震に注意 気象庁
- 九州ガス 都市ガス供給の復旧状況などについて(第11報)
- ウェザーニュース 今日8月12日(水)の天気予報