本記事は8月11日7時時点の公表情報・報道に基づく。数値は発表主体により異なり、今後変わりうる。
ライフラインと交通
| 項目 | 8月11日7時時点の状況 |
|---|---|
| 断水 | 約3万4,400戸(8月10日10時時点、内閣府・関係省庁資料)。八代市(旧八代市地区、鏡町・千丁町)、宇城市(松橋・小川・豊野の各地区)、氷川町で継続。いずれも県は8月末を目途に応急復旧の見込みとする |
| 断水解消・試験通水 | 八代市は東陽町・泉町下岳地区・日奈久校区で解消。代陽、八代、太田郷、松高、八千把、宮地、郡築、昭和の各校区で試験通水中(使用は控えるよう案内)。氷川町は立神・桜ヶ丘・原田・迫・中大野・本山地区で解消。宇土市は24時間の試験通水を実施し漏水箇所を調査中。上天草市は8月末まで21時〜11時の夜間断水 |
| 応急給水 | 八代市10施設ほか氷川町・宇城市・宇土市・美里町などに拠点。1回10リットル程度、7時〜19時が中心。給水車は計173台 |
| 停電 | 発災後最大約4万9,000戸。高圧線・低圧線は復旧済み。引込線に起因する停電は原則当日中の解消を目指すとされる |
| 都市ガス | 八代市で約8,900戸が供給停止のうち約5,800戸が再開。北部区域(約3,000戸)は一両日中、南部区域(約5,900戸)は今週中に概ね復旧の見込み |
| 下水道 | 宇城市・氷川町で応急復旧作業中。完了見込みは8月中旬 |
| 鉄道 | 九州新幹線は熊本〜新水俣が運休(新水俣〜鹿児島中央は8月7日再開、8月16日まで暫定ダイヤ)。鹿児島本線宇土〜八代は運休。肥薩おれんじ鉄道八代〜水俣は運転見合わせ、8月10日から代行バスの運行が始まった |
| 道路 | E3九州道の松橋IC〜えびのIC、E3A南九州道の八代JCT〜田浦ICは緊急車両のみ。8月後半に九州道は全線、南九州道は八代南IC〜田浦ICで一般車両の通行が可能となる予定。直轄国道の通行止めはなく、県管理道路4か所が全面通行止め |
| 港湾 | 八代港は外港5バース・内港4バースが利用可能。8月12日から穀物バースの利用が再開される予定 |
被害の状況
熊本県の発表(8月10日14時時点)では、死亡39人、重症24人、中等症65人、軽症52人、分類未確定31人。死亡のうち災害関連死の可能性があるものが1人、関連の調査中が2人とされている。住家被害は全壊699棟、大規模半壊20棟、半壊1,025棟、一部破損7,974棟、分類未確定1万2,097棟の計2万1,815棟。
避難所は12市町村97か所、避難者6,108人(同時点)。八代市38か所2,378人、宇城市11か所2,935人、熊本市19か所293人で、8割超が八代市と宇城市に集中する状態が続く。福祉避難所は4市町7施設に65人。トイレカー26台・仮設トイレ120台を含む計296台が増設された。自衛隊は約5,100人態勢で入浴支援を4市町5か所で実施し、艦艇による医療支援が8月11日から再開される予定とされている。
復旧作業に伴う労働災害は、厚生労働省の集計(8月7日12時時点)で死亡17人・負傷11人。8月9日発表の第44報でも同じ数値で、その後の更新は本日7時時点で確認できていない。
気象庁は8月10日、地震回数は徐々に減っているものの活発な活動が続いているとして、今後1か月ほどは最大震度5弱程度以上の地震に注意するよう呼びかけている(報道による)。8月11日は熊本県に熱中症警戒アラートが4日ぶりに発表され、熊本市の予想最高気温は36度、八代など県内各地の暑さ指数は「危険」とされている。
医療機関の健全性とモバイルファーマシー
| 項目 | 状況(厚生労働省 第44報/熊本県資料) |
|---|---|
| 被災医療機関 | 熊本県92施設(8月9日9時時点)。断水は最大88→現在28、停電は最大22→現在0、浸水は最大33→現在0、医療用ガスは最大13→現在0、その他7。八代市26・宇城市14・宇土市6 |
| 透析 | 県内94か所のうち、最大13か所で実施困難。直近は11か所で実施可能、2か所は他施設で調整済み(8月6日時点) |
| 支援チーム | DMAT80隊、DPAT18隊、JMAT31チーム139人、JDAT2チーム、災害支援ナース計57人(8月8日15時時点) |
| 薬局 | 被害140か所、うち営業不可5か所(8月8日14時時点)。八代市44・宇城市24・熊本市32 |
| モバイルファーマシー | 熊本県薬剤師会が宇城市、福岡県薬剤師会が八代市で活動中(熊本県資料、8月10日) |
医療機関の断水は30施設(8月8日時点)から28施設へ減った。DPATは8月9日時点の17隊から18隊と発表資料上は横ばいで、DMATも隊数の集計基準が資料によって異なるため、単純な増減比較には注意がいる。モバイルファーマシーの台数・扱い品目・投与日数の上限は、本日7時時点で新たな公表を確認できていない。なお熊本県の各部報告(8月10日)は被災医療機関263施設・薬局141施設としており、厚生労働省の集計とは対象範囲が異なる。
前日からの主な変化
- 断水は約3万4,780戸(8月9日)から約3万4,400戸へ。戸数の減りは小さいが、八代市で試験通水の対象が8校区に広がり、解消局面に入った地区が増えた
- 八代市の都市ガスは再開が約4,000戸から約5,800戸へ。北部区域は一両日中、南部区域は今週中に概ね復旧の見込みが示された
- 避難所は118か所6,355人(8月9日)から97か所6,108人へ。人数の減少幅より、避難所そのものの統合が進んだ
- 熊本県に熱中症警戒アラートが4日ぶりに発表された。8月7日以降アラートのない日が続いていたが、本日は再び「危険」水準に戻った
- 肥薩おれんじ鉄道の代行バスが8月10日に運行を開始し、九州道・南九州道の一般車両開放が「8月後半」と公的資料に明記された
新たに使える支援・特例
新規の制度発表は本日7時時点で確認していない。8月7日に公布・施行された特定非常災害の指定政令に伴う許認可・免許等の有効期間延長は、観光庁・特許庁などが所管ごとに個別の告知を出す形で運用が始まっている。相続放棄の熟慮期間は令和9年3月31日まで伸長された。被災中小企業向けには御船町を局地激甚災害に指定する見込みが8月7日に示され、熊本県は熊本労働局と雇用調整助成金等の具体策を検討中としている。いずれも記事020の更新を推奨する。
産業保健職への示唆
8月13日から16日の連休まで2日となった。外部支援チームは本日時点で規模を保っているが、連休中の体制がどうなるかは各チームの判断で決まる。職場として「連休中に誰にどう連絡するか」を今日中に一枚にまとめ、従業員に配りたい。試験通水中の地区では蛇口から水が出ても飲用・製造用に使えない期間があり、事業場の再開判断は「通水」ではなく「使用可の通知」を基準にする。熱中症警戒アラートが4日ぶりに出たことは、アラートの有無に依存しない自社基準の必要性を改めて示している。九州道の一般車両開放が8月後半と示された以上、お盆明けの通勤・物流の設計は今週中に着手できる。
参考
- 令和8年熊本地震に関する情報(熊本県)
- 熊本県災害対策本部会議資料
- 被害状況(8月10日14時00分時点)
- 各部報告資料(8月10日)
- 国の対応資料(8月10日13時時点)
- 熊本を震源とする地震について(第44報・厚生労働省)
- 令和8年熊本地震について(厚生労働省)
- 令和8年熊本地震における被害と対応について(国土交通省)
- 令和8年熊本地震の対応状況(国土交通省九州地方整備局)
- 熊本地震ライフライン情報(熊本日日新聞)
- 熊本地震 気象庁「1か月ほど最大震度5弱程度以上の地震注意」(NHK)
- 熊本地震 災害関連死の疑い含め39人死亡 避難所に6092人避難(NHK)
- 高知県、熊本県、鹿児島県に熱中症警戒アラート(ウェザーニュース)
- 令和8年熊本地震で被災された方へ(労働行政関係・熊本労働局)