本日8月13日から16日まで、多くの医療機関と行政窓口が休みに入る。連休が明ける17日(月)は、休診で止まっていた受診、連休前に間に合わなかった罹災証明書の申請、住宅応急修理や支援金の相談、そして八代市総合体育館で8月17日まで継続予定の「おくすり相談」の最終日が、一日に重なる。この記事は、人事総務・産業保健職・管理職が、その一日を勤務時間の中でどう吸収するかを、今日から16日までのあいだに決めておくために書いている。連休中の処方の切れ目は記事038で、支援チームの撤収は記事039で扱った。ここではその翌週、平時の医療と行政に戻る最初の日を対象にする。
8月17日に何が重なるか
第一に、外来の再開である。熊本県内の被災医療機関は92施設で、断水は最大88施設から24施設まで戻ったが(厚生労働省第46報、8月11日16時時点)、残る施設は診療制限を続けている。連休中に処方が切れた人、連休中の体調悪化を持ち越した人、定期受診を1回飛ばした人が、17日に集中する。
第二に、モバイルファーマシー終了後の空白である。熊本県薬剤師会・福岡県薬剤師会のモバイルファーマシーは8月12日午前で活動を終える予定と公表されており、八代市総合体育館の「おくすり相談」が8月17日まで継続される予定になっている。つまり17日は、臨時の受け皿が閉じる日でもある。以後は通常の薬局に戻るが、県内141施設が被災し、5施設は営業不可のままである。
第三に、行政窓口である。罹災証明書の申請、住宅の応急修理、被災者生活再建支援金、賃貸型応急住宅(15市町村で受付中)、建設型応急住宅(9団地159戸が着工、入居開始は9月上旬から10月中旬の見込み)と、期限や順番のある手続きが並ぶ。多くは平日日中しか窓口が開かない。
第四に、避難所の統合である。避難所は8月12日14時時点で81か所・3,585人まで減った。移動した従業員は、かかりつけからも通勤経路からも離れた場所にいることがある。避難所で行われていた保健師やDMAT・DPATによる健康観察の網からも外れるため、17日以降に不調が拾われる場は職場に寄っていく。
加えて、交通の制約が残っている点も勘案がいる。九州新幹線の熊本〜新水俣と鹿児島本線の宇土〜八代は運転見合わせが続き、肥薩おれんじ鉄道の八代〜水俣は代行バスによる輸送である。高速道路の一般車両開放は8月後半の見通しで、17日の時点ではまだ規制下にある。窓口や医療機関への往復は、平時より片道30分から1時間の余裕を見ておく必要がある。
職場が今週のうちに決めておく3つ
ひとつは、離業時間の枠である。17日から21日までの1週間について、時間単位の特別休暇、あるいは中抜けを認める運用を、事前に告知しておく。事後の申請ではなく事前の告知が要るのは、「休んでよいと言われていない」ことが受診と申請を遅らせるからである。
ふたつめは、要員の手当てである。同じ部署の複数名が同じ日に窓口へ行くと、業務が止まる。17日から21日を5日間の枠と見て、部署ごとに1日あたりの離業上限を決め、順番を先に割り振っておく。連休中に決められない場合は、16日のうちに管理職が電話一本で確認できる形にしておく。
みっつめは、証明書類の扱いである。受診や窓口対応の証明を求めると、それ自体が負担になる。罹災証明書の申請控えや診察券の提示程度で足りる運用にし、求める書類を減らす。休業手当・賃金の扱いは事前に文書化する。
受診の優先順位を、産業保健職が先に整理する
すべての従業員が17日に受診する必要はない。連休前に、優先度を分けておくと窓口の混雑を分散できる。
最優先は、透析、インスリン、抗凝固薬、抗てんかん薬、精神科の継続処方など、中断が短期間で健康被害に直結するものである。県内94か所の透析施設のうち、8月11日時点で1か所が断水・機材損傷により実施困難とされ、他医療機関での実施が手配済みと発表されているが、施設の変更を伴った人は移動時間が長くなっている。勤務の開始時刻をずらす配慮が要る。
次が、降圧薬・脂質異常症治療薬など、数日の中断が直ちに危険とはならないが、放置すると受診自体が途切れるものである。これは17日でなくてもよい。18日以降に回す説明を、職場から先に伝えておくと本人の判断が楽になる。
三番目が、連休中に生じた不調の初回受診である。屋外作業後の体調不良、睡眠の悪化、飲酒量の増加、気分の落ち込みは、本人からは「受診するほどではない」と扱われやすい。この時期に不調が申告されにくくなることは記事036で扱った。産業保健職の面談枠を17日の週に厚く置き、受診の必要性を職場側から判断できるようにしておく。
行政手続きは「期限のあるもの」から棚卸しする
窓口に行く順番は、期限の有無で決まる。罹災証明書は、その後の支援金・応急修理・税の減免・応急住宅のほとんどの入口になるため最優先である(記事022)。住宅の応急修理は、自ら修理してしまうと対象外になりうる制度であり、着手前の相談が要る。賃貸型応急住宅は受付中で、建設型の入居が9月以降であることを踏まえると、どちらを選ぶかの判断もこの時期に来る。
国税の申告・納付期限の延長、労働保険料の納付猶予、雇用保険の特別措置などは既に運用されている。雇用調整助成金の特例措置は、厚生労働省が支給要件の緩和などを想定して検討に入ったと8月10日に報じられているが、本日7時時点で決定は確認できていない。制度の一覧は記事020に整理している。
実務でそのまま使えるチェックリスト
| 時期 | やること | 担当 |
|---|---|---|
| 8月14日まで | 17〜21日の離業枠(時間単位休暇・中抜け)を全社に告知 | 人事総務 |
| 8月14日まで | 部署ごとの1日あたり離業上限と順番を割り振る | 管理職 |
| 8月14日まで | 受診の優先度3区分を作成し、管理職へ配布 | 産業保健職 |
| 8月14日まで | 提出を求める書類を最小化し、賃金の扱いを文書化 | 人事総務 |
| 8月16日 | 継続処方のある従業員へ、17日の受診予定を電話で確認 | 産業保健職 |
| 8月16日 | 透析・通院で移動が延びた従業員の始業時刻を個別調整 | 管理職 |
| 8月17日 | 面談枠を通常の2倍確保。出勤時の体調申告窓口を開ける | 産業保健職 |
| 8月17日 | 「おくすり相談」最終日。未受診者の把握を当日中に完了 | 産業保健職 |
| 8月18〜21日 | 罹災証明・応急修理・応急住宅の申請状況を部署単位で確認 | 人事総務 |
| 随時 | 居所・連絡先の変更を名簿へ反映 | 人事総務 |