260806_【定点観測】令和8年熊本地震 8月6日7時時点 — 産業保健のための状況整理

本記事は8月6日7時時点の公表情報・報道に基づく。数値は発表主体により異なり、今後変わりうる。

目次

ライフラインと交通

項目状況出典・時点
断水4市町で約43,710戸(前時点比▲670戸)。八代市約24,820戸、宇城市約15,580戸、氷川町約3,100戸、甲佐町約210戸熊本県災害対策本部・8月5日14時
解消見込み関係機関の支援により8月末を目途に解消の見込み。甲佐町は8月初旬熊本県・8月5日/国土交通省・8月4日
応急給水給水車133台(国土交通省18、日本水道協会64、自衛隊51)。宇土市の一部地区は朝6時と18時に約3時間の配水内閣府・8月1日17時/熊本日日新聞・8月5日9時55分
停電8月1日に全面解消(最大約48,530戸)内閣府・8月2日8時
都市ガス八代市で最大約8,900戸が停止。北部約3,000戸のうち8月4日までに約2,700戸が復旧。南部約5,900戸は導管の交換・補修に少なくとも1〜2週間程度NHK・8月5日/九州ガス第10報・8月1日15時30分
鉄道九州新幹線 熊本〜新水俣、鹿児島本線 宇土〜八代は当面運行取りやめ(8月中の再開は困難な見込み)。肥薩おれんじ鉄道は8月5日から一部再開(報道による)熊本県・8月5日14時
高速道路E3九州道 松橋IC〜えびのIC、E3A南九州道 八代JCT〜田浦ICが通行止め。緊急車両は8月9日の週に宮原SA〜坂本PA、一般車両は8月後半に通行可能となる見込みNEXCO西日本 第11報・8月4日13時
空港・市電阿蘇くまもと空港、熊本市電はいずれも通常運行熊本県・8月5日

被害の状況

熊本県災害対策本部の8月5日14時時点の発表では、死亡38人、災害関連死の可能性1人、災害との関連を調査中1人、重症20人、中等症57人、軽症40人、分類未確定26人とされている。住家被害は全壊699棟、大規模半壊20棟、半壊1,025棟、一部破損6,187棟、分類未確定6,631棟の計14,562棟で、判定が進むにつれ増え続けている。避難所は133か所、避難者は7,155人で、いずれも減少が続いている。

厚生労働省は8月5日12時時点で、勤務中の被災による死亡を17人、負傷を7人と集計している。同省資料には、技能実習生1人がクレーンの落下により死亡したことも記されている。

避難所の環境については、震度7と震度6強を観測した8市町で、停電や空調の未設置により開設できなかった指定避難所が少なくとも23か所あったと報じられている。商工業関係の被害は1,985件・334億円、誘致企業188社、地場企業128社で被害が確認されている(熊本県・8月5日14時)。

医療機関の健全性とモバイルファーマシー

項目状況出典・時点
被災医療機関92施設。最大時は浸水46・停電22・断水88・医療ガス13、現在は浸水0・停電0・断水42・医療ガス1厚生労働省 第38報・8月5日14時
市別の内訳八代市26施設(うち断水20、医療ガス1)、宇城市14施設(断水11)、宇土市6施設(断水6)同上
DMAT・DPATDMAT 現場78隊・本部支援89隊、DPAT 24隊(本部12・現地12)同上
高齢者・障害児者施設高齢者関係898施設(建物被害は現在745)、障害児者関係430施設(現在249)同上
薬局被害134施設のうち営業不可24施設同上
モバイルファーマシー3台が稼働。熊本県薬剤師会(宇城市小川防災拠点センター・8月1日〜)、福岡県薬剤師会(八代市総合体育館・8月2日〜)、宮崎県薬剤師会(氷川町健康センター・8月2日〜)薬事専門紙・8月4日

医療機関の断水は42施設で続き、うち八代市20施設、宇城市11施設と断水地域に集中している。透析施設ごとの稼働状況は、本日7時時点の公表資料からは確認できていない。モバイルファーマシーは災害処方箋への対応に加え、避難所での熱中症・静脈血栓塞栓症の予防啓発や二酸化炭素濃度の測定も担っている。

前日からの主な変化

  • 断水は約44,000戸から約43,710戸へ。1日あたり数百戸の減少にとどまるが、8月末解消の見通しは維持されている
  • 住家被害の集計が14,562棟に増える一方、避難者は7,155人・避難所は133か所へ減少した
  • 厚生労働省第38報で、被災医療機関92施設のうち42施設が断水継続、勤務中の被災による死亡17人・負傷7人であることが示された
  • 政府は8月4日に予備費242億円の使用を閣議決定(災害復旧206億円、物資支援24億円、救助業務支援12億円)。激甚災害の指定政令は8月7日にも閣議決定される方向と報じられている
  • 台風13号の影響で6日以降は熊本でも風が強まるおそれ。本日は県内に熱中症警戒アラートが発表されている

新たに使える支援・特例

労働・社会保険関係の新たな特例は、本日7時時点で新たな発表を確認していない。政府は8月4日に予備費242億円の使用を閣議決定し、激甚災害の指定政令は8月7日にも閣議決定される方向と報じられている。8月3日に内閣府が公表した指定見込みは本激で、対象措置は激甚災害法第3条・第4条、第5条、第6条、第24条であり、雇用保険や中小企業信用保険の特例は含まれていない。内閣府は適用措置や地域が追加される場合があると明記している。県営住宅29戸の無償提供は本日から受付が始まる。詳細は記事020および本日公開の記事031を参照。

産業保健職への示唆

断水の解消見込みは8月末で、給水所に通う生活は少なくともあと3週間続く。勤務時間の設計は「あと数日」ではなく「3週間」を前提に組み直したい。

都市ガスは同じ八代市内でも北部は復旧、南部は1〜2週間先と割れており、従業員の生活条件は住所によって大きく異なる。一律の勤務ルールでは無理が出る局面に入った。

医療機関42施設で断水が続いている。従業員の受診や処方の確保を、かかりつけ医が平常どおり動いている前提で考えない。

台風13号の影響で6日以降は風が強まる可能性がある。屋根や外壁の応急修理、高所作業、仮設物の固定は、風の予報を見て前倒しか中止かを本日中に決めたい。

参考

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