災害発生時には以下の観点から感染症対策の強化が必要です。
目次
各種災害において感染症の増加する
過去の災害を見ても自然災害発生時に感染症が流行することは知られています。災害発生時に感染症が発生しやすくなる理由として以下の項目が考えられます。
- 被災によりスペースが少なくなることで密集しやすくなる
- 手指衛生をする水や物品が不足する
- 感染対策の優先順位が下がり意識・対策が弱くなる
DOI: 10.1586/eri.11.155
医療機関の受診リソースが低下する
地域の医療機関は重病者から順に対応すること、医療機関自体が被災していることで軽症者を見る余裕がなくなること、などが発生します。このような時だからこそ予防が重要となります。
感染症はほかの労働者にも伝播し復旧作業に影響を与える
感染症は出勤できない人を増やし復旧作業の継続に大きな影響を及ぼします。出勤できない期間はCOVID-19やインフルエンザで1週間程度、ノロウイルスで10日~2週間程度、麻疹・風疹・水痘(播種性帯状疱疹)などは1カ月程度出勤できないこともあります。
各感染症の基本再生産率(R0)
一人の感染者が何人くらいに感染させるか、という指標です。COVID-19は2~3程度です。
- 麻疹(R0 12-18)
- 百日咳(R0 12-16)
- 水痘・帯状疱疹(R0 8~10)
- 風疹(R0 5-7)
- ムンプス(R0 4-7)
- インフルエンザ(R0 2-3)
予防方法・対策
- マスクの着用(症状がない人も全員)
- 可能な限り距離をとる
- 在宅勤務で対応可能な業務は在宅勤務にする
- 手指衛生(ノロウイルスはアルコール消毒無効)
- 換気
- 狭い場所では空気清浄機も有効