災害特有の健康障害の予防 令和6年能登半島地震で産業医の立場で労働者のためにできること1

被災された方々にはお見舞いいたしますとともに懸命の復旧作業にかかわっている方々には尊敬の念をもっております。わたしも今の状況でできることとして、情報発信をします。
災害初期に産業医として従業員にできることは、初期の2次被災を防ぐことになります。まず注意すべきことは以下の3点について情報提供や対応を検討してください。本内容は適宜更新をします。

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エコノミークラス症候群の予防

エコノミークラス症候群は主に膝の屈曲による下肢の静脈の圧迫による血流障害が原因としてできた血栓が肺に飛んでいくことで呼吸機能が低下する病態です。被災者や応援者は車中泊が増加することからそのリスクが高まります。予防方法として、車中泊をする際は足元に毛布などを置き膝があまり屈曲しない体制をとること、水分をしっかりとること(理想的には1時間当たり50ml以上)があります。また、呼吸苦を感じたら自己判断せずにできる限り医療機関を受診するようにしましょう。

たこつぼ心筋症に注意

繰り返しの地震のストレスによる急な心不全になる人もいます。呼吸が苦しい場合には必ず医療機関を受診します。

感染症を予防する

災害発生時には人が密集することが多くなります。現在、マスクを着用している人がだいぶ少なくなっています。冬の感染症の多くは飛沫感染になります。全員がマスクを着用することで感染を予防することができます。災害により医療機関の収容が脆弱になっています。少しでも医療機関の負担を減らすため、可能な限りマスクを着用するよう指導してみてはいかがでしょうか。

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