本記事は8月26日7時時点の公表情報・報道に基づく。数値は発表主体により異なり、今後変わりうる。本日で発災30日目にあたる。
ライフラインと交通
| 項目 | 状況(発表主体・時点) |
|---|---|
| 断水 | 約2,400戸・3市町。八代市466戸、宇城市1,699戸、氷川町253戸で、いずれも漏水が継続中とされる(国土交通省 第49報・8月25日7時30分時点)。熊本県は約2,320戸・前回比1,730戸減としている(8月25日14時時点)。国は8月末の解消に向けて対応中としている |
| 応急給水 | 給水車は計104台。八代市は応急給水所24か所を開設中で、一部は8月27日13時で閉鎖し、8月28日から新たに4か所を開設する予定 |
| 停電・ガス・通信 | 高圧線・低圧線は復旧済みで、引込線断線等による個別停電が残る(政府非常災害現地対策本部・8月25日)。都市ガスは八代地区が倒壊家屋65戸を除き復旧済み。携帯4社は支障なし |
| 鉄道 | 九州新幹線は熊本〜新水俣で運転見合わせ(構造物の変状約600箇所、軌道の変状約300箇所)。鹿児島本線は宇土〜八代で運転見合わせだが、本日8月26日からバス代行輸送を開始予定。肥薩おれんじ鉄道は八代〜水俣でバス代行輸送を実施中 |
| 道路・バス | 九州自動車道は松橋IC〜えびのICで一般車両が通行可。南九州自動車道の八代JCT〜八代南ICは橋梁損傷により通行止め。高速バス3路線・路線バス11路線が運休中で、うち八代・宇城・宇土地域の11路線は9月1日再開予定。熊本市電は復旧済み |
| 気象 | 熱中症警戒アラートが熊本県を含む37府県に発表され、8日連続。熊本の予想最高気温は38度。昼過ぎから夕方は所により雷を伴い非常に激しい雨の予報(気象庁・8月26日5時発表)。台風第18号の県内への直接的影響はないが、フェーン現象による高温に注意が呼びかけられている |
被害の状況
人的被害は、熊本県災害対策本部が8月25日14時時点で死亡38名(うち災害に起因する死亡36名、災害関連死の可能性がある死亡2名)、重症33名・中等症96名・軽症68名と発表している。消防庁 第61報(8月25日10時時点)は死者38人(うち災害関連死1人、調査中1人)、行方不明0人としており、災害関連死の計上に差がある。
住家被害は発表主体により差が大きく、熊本県は計3万9,247棟(全壊1,692棟。推計値を含むとされる)、消防庁 第61報は計2万6,914棟としている。罹災証明書は交付申請6万362件に対し交付2万2,641件(37.5%)である(熊本県・8月25日14時時点)。
避難所は65か所・2,635名(11市町、熊本県・8月25日14時時点)。入浴支援は13市町、移動式ランドリーカーは3施設で運用中とされる。2次避難は申込1,394件のうちマッチング済み472件・1,026人。建設型応急住宅は国土交通省が368戸・18団地の着工済み、熊本県は359戸・16団地としており、入居予定は9〜10月、完成戸数は現時点で0戸である。
復旧作業に伴う労働災害は死亡17名、休業4日以上106名(厚生労働省 第58報・8月24日19時時点)で、前報の105名から1名増えた。
医療機関の健全性とモバイルファーマシー
| 項目 | 状況(厚生労働省 第58報・8月25日10時現在) |
|---|---|
| 被災医療機関 | 熊本県92施設(8月25日9時時点)。内訳は浸水0・停電0・断水15・医療用ガス供給支障0。最大時の断水は88施設 |
| 透析 | 県内94か所のうち最大13か所で実施困難だったが、8月24日報告で全施設が実施可能に復旧 |
| 支援チーム | DMAT 15隊(現場)+33隊(本部)/DPAT 8隊(本部4・現地4)/JMAT 29チーム104名/JRAT 17チーム72名/JDAT 4チーム/日赤医療救護班12班/災害支援ナース延べ398名/保健師等35チーム/DHEAT 8チーム(4チーム稼働中、残りは8月26日以降順次開始) |
| 薬局 | 熊本県内143施設が被災、営業不可4施設(8月24日14時時点)。前報で断水59施設とされた状況に変化の記載はない |
熊本県は「医療機関272施設が被災」としており、厚生労働省の92施設とは集計基準が異なるとみられる。両論を併記する。モバイルファーマシーは8月12日で運営が終了し、本日7時時点で稼働車両は確認できていない。
前日からの主な変化
- 断水が約3,600戸(第48報・8月23日7時30分時点)から約2,400戸(第49報・8月25日7時30分時点)へ減った。残る3市町はいずれも漏水が継続中とされる。
- DPATが本部のみの5隊から8隊(本部4・現地4)へ増え、現地活動が再開した。一方でJMATは32チーム123人から29チーム104名へ、日赤医療救護班は22班から12班へ縮小し、支援の構成が入れ替わっている。
- 透析が県内全94か所で実施可能に復旧した(8月24日報告)。医療機関の断水も16施設から15施設へ減った。
- 休業4日以上の労働災害が105人(8月21日19時時点)から106人(8月24日19時時点)へ増えた。死亡は17名で横ばい。
- 8月25日に激甚災害の追加指定と災害融資の特別措置が閣議決定された。
新たに使える支援・特例
8月25日、局地激甚災害の追加指定が閣議決定された。対象は八代市、宇城市、御船町、嘉島町、氷川町で、公布・施行は8月28日の予定とされる。措置内容は中小企業信用保険の特例で、罹災証明を受けた中小企業者に対し、一般保証・セーフティネット保証とは別枠の信用保証が講じられる。同日、日本政策金融公庫の災害復旧貸付について、貸付後3年間・1,000万円までの金利を0.9%引き下げる特別措置も閣議決定された。被災住宅の補修相談フリーダイヤルも同日開設されている。
雇用調整助成金の特例と労働保険料等の納期限延長は、本日7時時点で新たな更新を確認していない。
産業保健職への示唆
本日から鹿児島本線の宇土〜八代でバス代行輸送が始まる。始業時刻の暫定運用を敷いていた事業場は、輸送力と所要時間の実績を今週中に確かめ、9月の勤務設計へ反映させたい。
断水が3市町・約2,400戸まで絞られた一方、給水拠点の閉鎖と新設が同時に動いている。従業員の生活時間への配慮を、いつ・どの順で終えるかを個別に決める段階に入った。
支援は全体として縮小しているが、DPATの現地活動が再開し、DHEATは8チームへ増強された。1か月を過ぎて精神保健と保健所機能の需要が上向いた可能性があり、職域からの相談経路を絞り込むのは早い。
熱中症警戒アラートは8日連続で予想最高気温は38度、加えて本日午後は雷を伴う非常に激しい雨の予報が出ている。屋外・高所作業は暑熱と雷雨の両方を中止基準に入れて運用したい。
参考
- 国土交通省 令和8年熊本地震による被害と対応について(第49報)
- 厚生労働省 令和8年熊本地震について(第58報)
- 厚生労働省 令和8年熊本地震関連情報(特設ページ)
- 熊本県 被害情報(第44報)
- 熊本県 第27回災害対策本部会議 各部説明資料
- 熊本県 人的被害状況(8月25日14時時点)
- 熊本地方気象台 気象概況資料(8月25日)
- 政府非常災害現地対策本部 資料(8月25日)
- 消防庁 令和8年熊本地震による被害及び消防機関等の対応状況(第61報)
- 気象庁 「令和8年熊本地震」について(第10報)
- 環境省・気象庁 熱中症警戒アラート
- 首相官邸 令和8年8月25日 定例閣議案件
- 経済産業省 激甚災害の指定に伴う中小企業対策(8月25日)
- 総務省 令和8年熊本地震による被害状況等(第52報)
- 熊本市 被災家屋等の解体・撤去(公費解体)
- 八代市 応急給水情報